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AH-120K (アコースティックハーモネーターシステム)に関する紹介記事

試聴記事

レコード芸術 2008年11月号348p注目製品ピックアップ(2008年10月20日発売)

失われた超高城の高調波成分を生成・追加し、生演奏の臨場感を再現
フィデリックスAHS(アコースティック・ハーモネーター・システム)を聴く 神崎一雄

  いろいろ言われながらレコード再生の主流は今ではすっかりCDの時代になっています。初期の頃のCDの音は、冷たく、硬く、味気なく感じられたものでした。
それでもCDの誕生から数えて20余年。今までの音楽ソフトとしては最も長生きをしたメディアの形であり、20余年という歴史を積み重ねる中で、レコード制作にあたる側、それを再生する機器を設計し作る側、双方の改良の努力があって、最近では初期ほどの違和感を感じさせなくなってきています。
しかしそれでも子細にCDの音に耳を傾けると、どこかにCD初期に感じられた冷たさ、硬さ、味気なさが、人によって微妙に異なるでしょうが、感じ取れるという人もいるでしょう。そうした感覚が生まれるのは、CDが高城の収録を20kzまでに限定し、それから先の超高城を切り捨ててしまっているからだと言われています。
そこで快適な音楽再生には超高城が必要という考えから開発、発売されたのが、SACDやDVDオーディオです。SACDは以前に比べたら大分アルバム数が増えてきましたが、それても歴史の長いCDの方が、個人が持つライブラリの数としては圧倒的に多いでしょう。
高調波成分を生成・追加 接続・操作は簡単
そこで、そうしたCDで失われた超高域の高調波成分を生成・追加するCD再生用機器が開発されているのを、少しオーディオ機器などに関心の強い音楽ファンやレコードファンの方々は先刻ご承知かもしれません。
フィデリックスというオーディオ専業メーカーから発売されている「アコースティック・ハーモネーター・システム」のAH-120Kという機械が、それです。もっともこの製品は今年の春に発売されており、今の新製品ではありませんから、すでにどこかでこの製品のことを聞いたり読んだりした方もおられることでしょう。
実はこの製品には前身にあたる製品があります。「SH-20K」と呼ばれる製品で、同じフィデリックス社から1994年に発売になっていました。この製品は、CDプレーヤーとアンプとの間に挿入する方式でしたが、効果としては同じで、演奏会場の臨場感とか、音場(演奏空間の響き)の広がりや奥行き感などかより豊かに再現され、高城が伸びるために、楽器の高音やソプラノなどのffが固まったりせず、スッと抜けて快く感じたものでした。それで結構愛用していたものです。
しかし、仕事でオーディオ機器の試聴をしたり、録音評のためにディスクを試聴したりする時にはSH-20Kを外す必要かあり、その度に4本のオーディオケーブルを接続し直さねばならずいささか面倒でした。またピユアリスト的な見方をすると、CDプレーヤーからスビーカーシステムまでの信号経路に2箇所接点が増えるので、それがまったく気にならないというのでもありませんでした。
ところが新しいアコースティック・ハーモネーターAH-120Kでは、オーディオ・ケーブルの着脱の手間も、接点が増えることを気にすることもありません。これはいわゆる使い勝手の面で長足の進歩と言っていいでしょう。
というのも、AH-120Kでは現在使っているスピーカー・システムの端子に、信号ケーブルを接続するだけでよいからです。専用のトゥイータからの超高城の信号とCDの信号は空間でミックスされます。プレーヤーとスピーカー・システムとの間に何も挿入されず、信号経路に接点か増えることもないのです。これはピュアリストにとっては健康衛生上よいことでしょう。使わない時は電源を切ればよい(ACアダプターをコンセントから外す)のです。
またAH-120Kの調整操作は、付属のCDを使って簡単に行なえます。普段聴くボリューム位置でテストCDを再生し、パネルの左にあるアジャストツマミを録音機の人力レベルを操作する感覚で赤いLEDが程よい明るさで点滅するように調整します。次に右側のエフェクトツマミを、録音機でいえば再生ボリュームの感覚で調整します。
これで120kHzの超高域まで再生するように専用に設計されたスーパー・トゥイーターから適正なレベルで、超高城が再生され、CDから雰囲気豊かな音楽再生が愉しめるようになります。
広がる音場空間低域・中域の音調も変化
そこで早速聴き慣れたディスクを聴いてみました。まず2本の無指向性マイクでシンプルにワンポイント録音した柳貞子「アモール・イ・パス」を聴きます。中央にメゾ・ソプラノ、左右にギター2本の演奏です。一聴して印象的なのはフワッと広がる音場空間の展開の大きさ。録音空間のリアリティを一層リアルな展開として聴かせます。次に同じワンポイント録音ですが、単一指向性マイク2本による収録の「ベルガマスカ/レ・サンク・サンス」を聴きます。古楽器アンサンプルらしいつややかさや、木管の温かいアンサンブル・サウンドが演奏空間に柔らかく展開する様子が素晴らしく再現されます。編成の大きなオーケストラによるバルトークの《管弦楽のための協奏曲》エクストンOVCL00243では、オーケストラ音場の奥行き感が違います。迫力も違ってきます。
音楽ライブラリとして数多いCDが、今までに比べてよりリアリティを伴って聴けるという愉しさを、アコースティック・ハーモネーターAH-120Kは味あわせてくれます。今まで聴き慣れてきたCDを聴き直したくなってきます。

Stereo Sound 誌 2007年Spring No 162号(2007年3月10日発売)

  アコースティック・ハーモネーター・システムAH-120Kは、Stereo Sound誌2007年Spring No 162号「話題の新製品を聴く」のコーナーで、タイトル「透明感が上がり、クリアーな佇まい。ヴァイオリンの音色が瑞々しい。」の文中にて、「いやはや、麻薬的な魅力を放つ製品だ。」と三浦 孝仁 氏から賞賛されています。詳細は485pをご覧下さい。

Digital Village(2007年1月2日〜10日)

村井裕也のストレート・メッセージ オーディオ探訪 No55〜59
FIDELIX  AH-120Kを使って話題の名盤を聴く Vol・1〜5

11月中頃、『S』誌編集部から「この1年間で最も愛用した(個人的にほれ込んだ)アクセサリーをあげよ」という依頼が来た。ボクが選んだベスト5は、@ローゼンクランツSound Extractor、AGe3ストーンヒーラー、BハーモニクスTU−666ZX、CアコースティックリヴァイブRIQ−5010、D中村製作所エヌエスLive320Twin。 本当は、FIDELIXアコースティック・ハーモネーター・システム(以下AHS)についてもふれたかったのだが、原稿執筆時点で「自宅試聴はしていても、本格導入をしていなかったから」惜しくも番外となった。 えっ? 「ハーモネーターとは何か教えて」だって? そうか。最近オーディオを始めた方は知らなくて当たり前か。ハーモネーターとは、CD化によって切捨てられた20kHz以上の超高域を、「20kHz以下がこうだから、たぶんこのように付いていたのだろう」と推測し、2.2ミリセコンド遅れで付加してあげる装置(CDプレーヤーとアンプの間につなぐ)。FIDELIX社・中川伸社長が考案し、日米韓欧特許を取得。1994年製品化。この装置を挿入することで、「CDを長く聴いても、疲れなくなった」「ヴァイオリンが、うるさくなくなった」「コンサートホールでしか聴けないと思っていた、独特の雰囲気が、スピーカーから再生されるようになった」という愛用者多数。そのハーモネーターを、さらに発展させたのがAHSなのだ。従来型とは異なり、音楽信号をスピーカー出力からゲット。それを元に超高域を推測・付加し、専用スーパートゥイーターで再生。 そのAHSが、2006年おおみそか、ようやくわが家に届いた! 数時間の自宅試聴だけではよくわからないところがあるので、「こうなったら本格導入して、とことんつき合ってやろうじゃないか」ということにしたのだ。
では、AH−120Kをつなぐとしよう。箱をあけると、本体およびACアダプター、専用スーパーツィーター1対、専用ケーブル4本が出てくる。スーパーツィーターFT−120KはTAKET−BAT1そっくりだが、FIDELIXならではの対策をおこなっているのだと聞いた。型番120Kは、「皆さん。120kHzまでの超高域を聴きましょう」という中川伸社長からのメッセージだろう。 ケーブルは、メインスピーカーからAH−120Kまで音楽信号を引っ張ってくるためのものが2本。専用スーパーツィーターを駆動するためのものが2本。線材そのものは、秋葉原でよく見かけるOFCスピーカーケーブル。いずれも、AH−120K側は標準プラグ。 「それなら、もっと高級なケーブルを使って自作するか。長さも、自分ちの都合に合わせられるし」とお考えのあなたは、スピーカーからAH−120Kへと引っ張るケーブルに、抵抗を入れるのをお忘れなく。(付属ケーブルでは、プラグの中に内蔵されている) 標準プラグを使うことに抵抗のある方もいらっしゃろうが、ここいら辺は「非マニア層(音楽愛好家)にも、安心してお使いいただきたい」という切なる願いのあらわれだろう さて。接続が終わったら、専用スーパートゥイーターを、メインスピーカーの上にのせ、ACアダプターを本体DC INに挿してから、コンセントにも挿込む。AH−120Kフロントパネル中央の緑色LEDが点灯したら、付属CDをPLAY。アンプのボリュームをふだん使っている位置にして、AH−120K左側のADJUSTつまみ(入力レベル調整)を回す。緑色LEDの左右にある赤色LEDがほどよく点滅すればOK。もう1つのEFFECTつまみ(出力レベル調整)は、とりあえず1時でスタート。 さあ。これで、準備完了だ。
『涙の形』というCDが、レコード・アカデミー賞音楽史部門を受賞した。おなじみ、波多野睦美(メゾソプラノ)&つのだたかし(リュート)のコンビに、エヴリン・タブ(ソプラノ)が加わったリュート伴奏付き女声二重唱集で、ジョン・コペラリオの《逝ける者への涙》全曲(1606年)ほかが収録されている。 「自然な発声と即興性あふれる伸びやかな表現」「押付けがましさゼロなのに、浸透力・説得力があまりに強いこと」に、いつもながら圧倒されてしまう。ソプラノとメゾソプラノの渾然一体となった絡み合い、しっかりあと支えするリュートを聴いているだけで充分楽しめるが、対訳片手に、歌詞を追うと、聞え方がまた違ってくる。 録音の素晴らしさも特筆もの。CD臭い刺激感を感じさせず、わざとらしい高解像度サウンドにも背を向け、それでいて、必要な情報量はしっかり確保。いったい誰が録ってるんだ? ワーナー・ミュージック・ジャパン、エイベックス・クラシックで幾多の名盤を制作。『ステレオ』や『ラジオ技術』で製作記事を執筆されることも多い、あの峰尾昌男さんか。ううん。「さすが」としか言いようがない。 こんなにいい音なんだから、AH−120Kを加えても、あまり変わらんのじゃないか。そう思いつつ、EFFECTつまみを1時に。そして、さっきと同じ曲をかける。――うわっ!! これを1度聴いてしまうと、元に戻れないんじゃないか? 何がどう変わったかというと、
□間接音成分が、俄然増えた。それでいて、ムリヤリ付加した印象はなし。
□歌手たちの語りかけが、説得力をさらに増した。
□鮮度が、飛躍的にアップ。一夜干しが刺身に戻ったような変化だ。
いやぁ。驚いた。No.57で紹介した『涙の形』のコーフンが、まだ続いている。「いかにもCD臭い音に、超高域を付加して聴きやすくなる」というのは、まだ理解できる。しかし、『涙の形』は、ごくごくフツーに再生して、不満を感じないCDだ。それが、さらにあそこまで良くなるとは――。 ようし。こうなったら、古楽をもう1枚続けてみようじゃないか。それも、CDが大不得意とするチェンバロだ。中野振一郎が弾く18世紀ドイツの「組曲」集。ベーム、テレマン、フィッシャーの作品を年代順に並べ、そのラストを大バッハのイギリス組曲が高らかに締めくくるドイツ鍵盤音楽史鳥瞰もの。 リナルド・アレッサンドリーニ『イタリア音楽の150年』(Opus111)、武久源造『鍵盤音楽の領域』(ALM)、渡邊順生『チェンバロの歴史と名器』(ALM)といった名盤たちを、ついつい思い出す。 しかし中野の新作は、これらに1歩もひけを取らない。だいたい、ベームやフィッシャーの曲が、こんなに楽しいなんて全然知らんかった。音楽史上の片隅でホコリをかぶっていた作曲家たちが、突然あなたの身近で雄弁に語り出す。この1枚は、そんなサプライズに満ちている。 組曲にカッコが付いているのは、17世紀から18世紀にかけて人気のあったジャンルの変遷を、しっかり意識して選曲・演奏したよという意味。同じ名前でも、バレエや舞台用音楽の再構成ものとは異なるから、要注意。 録音も、ひと昔前の、ガリガリバリバリ、刺激だけが無神経に飛び交う「ありえない音」ではなく、立ち上がりや細部はちゃんと聞えるのに、刺激感の少ない音に仕上がっている。 これに、AH−120Kを加えると、どうなるか。直接音は張り出しが3割増、間接音は張り出しが5割増になる。「でも、超高域を正確に復元しているんじゃないんでしょ。適当に付加してるだけなんでしょ」というご指摘をときおりちょうだいするが、何度聴き比べても、AH−120K有りの方が「本来の音」に聞えるのだ。
レコード・アカデミー賞器楽曲部門は、渡邊順生と崎川晶子によるモーツァルト/フォルテピアノ・デュオ。『のだめカンタービレ』第1回放送(2006年10月16日)で、主人公たちが弾いたKV448から始まるから、あのドラマで、クラシックに目覚めたビギナーにもお薦めだ。 しかし、フォルテピアノで弾けば何となく形になり、レコードが売れる時代ははるか彼方へと去り、
□ 状態の良い楽器(あるいは巧みに作られたレプリカ)を用いて
□ モダン楽器による演奏に慣れ切ったファンの心をも動かし
□ モダン楽器では表現しえない世界を切り開いてくれる
そんな演奏でないと通用しない現代に生きるフォルテピアノ奏者は、本当にたいへんだ。筆者は、ジョス・ファン・インマゼールによるモーツァルト:ピアノ協奏曲全集(チャンネルクラシックス)を愛聴しているが、彼によるソナタ集録音は、第14番〜第18番の2枚だけ。アンドレアス・シュタイアーによるソナタ集録音(ハルモニアムンディ)も、間隔があきがち。やはりそれだけ難物なの? ジークベルト・ランペによる録音(MDG)は順調だが、レーベルがあまりにマイナーだからか、発売されているはずの第5集がなかなか入手できない! そんな飢餓状態に、突如現れたこの1枚。渡邊順生のCDはだいたい全部持っているつもりだが、これほど感心させられたのは初めて。もちろん、前記3条件は見事に実現されている。しかも、冒頭からガツンガツンと強烈ストレート・パンチをくらわされ、目の前くらくら。邦人演奏家にありがちな「まじめにしっかり弾いてるんだけど」というワクを木っ端みじんに破壊し尽くし、はじけまくる。だいたい、フォルテピアノを、ここまでダイナミックに弾けるものなのか。それでいて、端正な一面も忘れてはいないし。 しかし、このCDの魅力を100パーセント引き出そうとすると、やはりAH−120Kは必需品。AH−120KをOFFにした再生では、フォルテピアノに付いた適度な肉が落ち、響きが少々骸骨化してしまうのだ。もちろん、このCDがAH−120Kの使用を前提に作られているワケはないのだが、一旦AH−120K入りの音を聴いてしまうと、「有りがウェルバランスで、無しは神経質」に聞えてしまう。いったいなぜ!?

STEREO 2007年1月号 (2006年12月19日発売)

  ・「年間最“愛用”アクセサリー2006」の村井裕弥氏(オーディオライター)のページで、「 独自色溢れるアイテム達をここに紹介。新年もガンガン使いまくるぞ!」に選ばれ、以下のように紹介されました。(49P)

  フィデリックスのAHS(アコースティック・ハーモネーター・システム:AH-120Kと専用スーパートゥイーターFT-120Kのセット)は、CD化で切り捨てられた超高域音楽信号を復活させ、専用スーパートゥイーターで再生。これでCD再生に伴うストレスの7割以上が消滅する感覚だ。

DIGITAL SOUND MARKET2006年9月18日号 (9月18日発売)

  ・ジャズレコードの録音批評家である長澤 祥氏の記事が(4P)に掲載されました。

 CDがアナログLPに聴こえる

 音が聴こえない超高域スピーカーをつなぐと音楽が本物に聴こえる不思議

ジャズ批評2006年7月号 (6月26日発売)

・ジャズレコードの録音批評家である長澤 祥氏の記事が掲載されました。(表3)

★こだわり Jazz Audio Note vol1 楽器のカタチが透かし絵のように現れた  長澤 祥

CDの鳴らし方を自由自在に変えて楽しむのがジャズオーディオである。ピアノトリオ同じ1曲を聴くにしても、それぞれの楽器をどうクローズアップして鳴らすかによって曲を異なったパターンで楽しめる。ある時はベースに、またある時はドラムスに耳を集中させる。そんな聞き方に熱中できるジャズオーディオは止められない。CDの同じ曲を何十回も聴いてしまう。そんなCDが何時もテーブルの上に3枚ある。テナーサックスのエリック・アレキサンダーをゲストにしたCD「After Hours」はトム・ブリガンディ& The Late Night New York Bandの演奏。曲 「I Fall In Love Too Easily」ではテナーサックスの最低音Bフラットのホーンの響きが部屋にこだまする。オースティン・ペラルタのCD「Maiden Voyage」では曲「Passion Dance」のビリー・キルソンの爆発的なドラミング、特にシンバルが超音速で空気を裂く。デヴィッド・コードンのCD「UNDIMINISHED」は曲「Sometimes it snows In April」を聴く。これぞピアノトリオ録音のベストという出来栄えである。ピアノとベースの弦が弾み、シンバルが鮮やかに浮かび上がる。楽器のカタチがまるで透かし絵を見るように現れる。これも中川伸さんというオーディオ設計の天才のおかげである。 その彼がアコースティック・ハーモネーター・システムと名づけた新しい方式を造った。アダプターAH-120Kと専用スーパー・ツイーターFT-120Kのセットで構成されている。周波数20kHzから120kHzまでを音響的にスピーカーの音に加えるという発想である。スーパー・ツイーターに耳を近づけても20kHzから上の周波数を鳴らすので当然音としては聴こえてこない。ところがスピーカー全体で聴いてみると部屋にひびくジャズの音は一変する。CD固有のデジタルっぽい音が消える。アナログ的な自然な音になる。楽器の倍音成分も良く聞こえる上に録音現場の空気感さえ再現される。

レコード芸術2006年5月号 (4月20日発売)

  ・吉祥寺ジャズ喫茶「メグ」店主 寺島靖国氏の試聴記事が掲載されました。(317P)

  ★寺島式オーディオ生活       寺島靖国       「音がしない」オーディオ

  オーディオというものに「常識」はない。常識の通用しない世界がオーディオである。常識通り行動するオーディオほどつまらないものはない。このような事柄を日夜考えている男が私である。どこぞにオーディオの非常識はないか。あった。ころがっていた。スーパー・トゥイーターである。なんと私はアバンギャルド・スピーカー・システムにスーパー・トゥイーターをつけようとしているのである。(フィデリックス注釈 ここでスーパー・トゥイーターといっているのはAH-120K「アコースティックハーモネーターシステム」 のこと。)
 発端は長澤祥さんのお宅であった。長澤さんは日本オーディオ協会のお仕事を長年担当。現在69歳におなりになるが、オーディオのことを一日として忘れたことのない、万年オーディオ青年である。今でも1日3時間は聴き、顔の色つやはツンツンとベースのようにつややかだ。フィデリックスのスーパー・トゥイーターのつけ外しをやって下さった。明らかに鮮明に音の表情が変わるのである。特に長澤さんのお宅では、ベースの音が伸び、時にはそれがそびえ立つように感じられた。長澤さんはベース命の方である。スーパー・トゥイーターをベースに作用させたのだ。トゥイーターは当然のことながら、高域のためにのみに存在するのではない。音全体に影響を及ぼす。
 姿、形がいい。日本のトゥイーターで、今、形で欲しくなるトゥイーターは皆無に近い。昔のJBLの075を見よ、と言いたい。形で欲しくならせてくれ、と言いたい。フィデリックスは色がよかった。濃いブルー色でJBLのボックス・カラーに似ている。
 試聴機をお借りした。胸をドキつかせながらつないでみると音がしない。スピーカーの顔面から「シー」の1音も聴こえてこない。こいつは不良品か。長澤さんに電話すると聴こえなくていいんだ、とのことである。音の1音だにきこえないスピーカーというのはあるのか。いかにオーディオにオカルト的要素があるとはいえ、これは明らかにマユツバものだ。マユツバと思うとよけい、音の変化が感じられない。お返ししよう。折角だが、これは駄目だ。
 1日おいて聴いてみた。あれ! である。今度はわかる。明白に音は変化した。ケーブルのエージングが不足していたのだろうか。暴れ馬が調教によって改心したような音だ。洗練という言葉が浮かんだ。ソフィスティケイションなどというイングリッシュも頭のあちこちを駆け巡った。
 長澤さんのお宅のベースの改善とは違って、我が家の場合は、音に平和が訪れた。平和特使としてフィデリックスは我が家へやってきたのだ。聴き慣れたCDを次々にトレイに乗せてゆく。こういう瞬間がオーディオファンにとって至福の瞬間だ。さて、今宵は耳が疲れた。耳の疲れは朝のめまいを呼ぶ。久しぶりに私は音で興奮し、いい夢を見、さて翌日。さっそくアンプに火を入れる。
 またしてもあれ! である。これは駄目だ。どうしたことだ。我が輩には大人しすぎる。上品に過ぎる。温和過ぎる。一夜のうちにエージングが進んで、いよいよ本領発揮、音を出さないトゥイーターが、なんとも強力にアバンギャルドに働きかけているのだ。聴きようによっては音が萎縮している。青葉に塩という盤もある。暴れと元気がとりえの私のアバンギャルドは死んだ。アバンギャルドには合わなかった。長澤さんのお宅には幸せを運んだが、我が家には縁がなかった。いい加減を言って申し訳ないがクラシックにはきっといいだろう。静けさを敵とするジャズには向いていない。私の好む突撃型ジャズ用には作られていないのだろう。しかし、いい体験をさせていただいた。感謝である。

  ★編集者のコメント(317P)   自宅で繰り返し試聴した寺島氏によると、「クラシックでの雅な雰囲気、しなやかで上品な音という方向にはばっちり合うのでは」とのこと。

STEREO 2006年4月号 (3月19日発売)

  ・オーディオライター田中伊佐資氏の試聴記事(56p)とオーディオライター村井裕弥氏の記事(69p)が掲載されました。

  ★田中伊佐資氏のコメント   描かれる世界は唯一無二!? (前略)聴いてみると明らかにみずみずしく清らかになりますね。品がよくなる。試聴曲の「なんて素敵な日」は冒頭に少しだけストリングスが入るのですが、感触がずいぶん違った。超高域とはいえ、加えると言われるとなにか不自然になるイメージがありますけどそれはなかったです。

  ★村井裕弥氏のコメント   使い勝手が向上したハーモネーター  スーパートゥイーターとセットで登場  ハーモネーターとは、同社が12年前に開発したライン挿入型アクセサリー。CDプレーヤーとアンプの間に入れることで、CD化によって消失した20kHz以上の超高域成分を付加しCDサウンドをアナログ的に変えることができる。ただし、「回路の途中に入れる」ということが、シンプル・イズ・ベストに反するということで、導入をためらうマニアが一部いらしたことも事実。今回発売されたAHSは、スピーカー出力につなぐので、メイン信号への悪影響は皆無。発生させた超高域成分を、メイン・システムとは別のパワーアンプと専用のスーパートゥイーターで再生するという、一種のマルチアンプ・システムだ。本体(超高域成分発生器+パワーアンプ)、ACアダプター、圧電型スーパートゥイーターと調整用CDがセットになっているので、これだけ買えば、どんなシステムにも応用が可能。「CDの音はうるさい」とお嘆きの方に、ぜひお試し頂きたい。

  ・タウンインフォメーション(219p)のエンゼル・ポケット秋葉原で江川工房公開講座に掲載されました。

  ★江川三郎氏のコメント  今年に入ってから講座に必ず使われるコンポに、フィデリックス社のAHS(アコースティック・ハーモネーター・システム)がある。これはCDでは無視された20kHz以上の高域を補足再生するものだ。カットされて無いものを後から付け足すのは信号に忠実でないという人もいる。しかし、現実の音楽には20kHz以上の音が含まれており、その成分が音の品位や雰囲気に欠かせぬ要素になっている。そこでフィデリックス・システムは信号の音の動きから超高域の規則を引き出しホワイトノイズを変調して出力している。ただし、これだけを耳に当てて聴いても何も感じない。ところが、20kHz以下の信号と合わせると、トゥイーターとスーパートゥイーターの間に音像が合成される。そして今まで見えなかった音場や感じなかった演奏のダイナミズムが再現される。もうAHS無しにレコードは聴けない。それがCDばかりでなく、SACDやLPレコードまで超高域効果が聴けるのには驚かされる。それは江川工房の日ばかりでなく、他の曜日でも予約すれば聴くことができる。

レコード芸術2006年3月号 (2月20日発売)

  ・オーディオ評論家江川三郎氏と編集者の試聴記事が掲載されました。(308P)

  ★江川三郎氏のコメント  (前略)今回フィデリックスで発表した新製品は通称アコースティック・ハーモネーターと呼び、CDの信号を一般のステレオ装置のスピーカー端子から取って合成している。今回の方法はステレオ装置の信号の流れの途中に装置を割り込ませるのではなく、スピーカー・システム端子に接続するのでオーディオ・マニアの純粋性を重んずる気分に逆らわない。さらに今回の製品は専用アンプと専用のスーパー・トウイーター(テイクT)の使用で120kHzの超高域まで再生する。実際の作業としては、左右のスピーカー端子に結線することとレヴェルあわせだけで済む。この装置のおかげで今まで気付かなかった演奏家のダイナミズムの特徴があらわれる。また演奏の音場感によるリアリティーはレコード愛好家にとってかけがえのないことと言える。

  ★編集者のコメント   今回のハーモネーターは、音のグレード・アップ度がかなり高い。「ニア・フィールド・リスニング」をしなくても、部屋の外からでも音の違いが分かるほど。このハーモネーターをつけると音の通りが全然違い、音楽も勢いを増して伸びやかになる。とくにレガートがなめらかになり、デジタルの点だったものが線になったかのように感じた。

        

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かんたむ2005 様

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