LPやカッセットテープから高音質CDを作る方法	中川　伸

　LPやカセットテープから高音質CDを作る方法のご紹介です。ほとんどのPCで一応はできるのですが、高音質とはいきませ。なぜかといえばPCはオーディオ機器ではないため、音質を重視している訳ではないのです。その最大の原因はADコンバーターのクオリティーもあるのですが、PC内部にはスイッチング電源がたくさんあるからです。スイッチング電源の発するスイッチングノイズは音質というデリケートなものにとってはかなり有害です。高音域がぎらぎらしたり、ジャリジャリするので細やかなニュアンスが失われてしまいがちです。スイッチング電源は小型軽量で便利なため、今やいろんなところで安易に使われていますが、もう少しオーディオ用途には慎重であって欲しいものです。私が超ローノイズのセリニティー電源を開発したのもこういった事情からなのですが、、。
　そこで、先ずはオーディオ機器であるCDレコーダーを使います。私はTASCAMのCD-RW700を使っていますが、これはスイッチング電源ではありません。この良い条件でデジタルにしてしまえばもはや音ではなくデーターなので以降はエラーさえなければ編集などの扱いは楽です。私は使ったことがありませんが電池式の半導体レコーダーは良いかも知れません。CDレコーダーでLPやカッセットテープからCDRWに録音するとマスターのCDRWができます。CDRWは失敗をしてもやり直しが利くので安心です。カセットテープの場合ならこれをマスターにしてコピーをすることでCDを作って良いと思いますが、問題はLPレコードの場合のスクラッチノイズです。
　スクラッチノイズを自動で取るソフトもあるのですが、とにかく音が全く悪くなってしまいます。鮮度が失われモゴモゴとして、こもった音になってしまいます。ノイズも取りますが音楽も殺してしまうので差し引きはマイナスのように思えました。スクラッチノイズを手動で取るにはここで作ったCDRWからリッピングをして一度WAVEファイルにしなくてはなりませんが、以下のフリーソフトが使えます。Exact Audio Copy V 0.95 beta 4 with CDRDAO-Burningで、ダウンロードは
http://www.digital-world.de/downloads/audio/software/1253089/index.htmlからできます。Windows installerとZIP-Archiveはどちらでも良いでしょう。私は後者を使いました。 さらにEAC日本語言語ファイル - EAC V0.95 beta 4用 第1版 (06/03/07) を以下からダウンロードし、README読んで日本語のバージョンを上げましょう。http://homepage3.nifty.com/eacj/
　次に同じくフリーソフトhttp://www.babylonic.com/audacity/audinst.htmで波形を見ながら探したスクラッチノイズを時間軸のドットが見えるまで拡大し、ドローツールを使ってマウスで根気良く適当なカーブで繋いでゆきます。そもそもLPにはスクラッチノイズは存在するものだと割り切らなくては次から次へと見つかってなかなか終わりません。そのため大きなものだけを取るようにします。出来上がったらEACのライティング機能を使ってCDRWに書きますが、これらのマニュアルを見て使いこなせばトラックを分割をし、番号も入れてあたかも市販CDのようにできますので、がんばって取得しましょう。なお、トラックの分割はCD Wave Editorで http://www.mymusictools.com/splitter_joiner_24/cd_wave_editor_2656.htm を使うと簡単です。
　これをマスターにしてコピーすればCDができます。ここで重要なのはメディアへの焼き方です。CD-Rの銘柄やライティングスピードや使用ドライブについてはそれなりの注意が必要です。データーから音に戻る段階だからです。これらについてはまだ詳しくないので、先人達の情報を参考にしてください。メディアに関しては青っぽいものの方が黄色っぽいものより、古いＣＤプレイヤーでは読みやすいようでした。
　新型ハーモネーター(AH-120K)ができたので、5連奏のCDプレイヤーで連続再生をすれば、オペラなどの長時間ものにも便利だし、CDにしてしまえば誰もが簡単に使えるだろうと思って始めてみました。LPそのものを高音質で再生するのは、なかなか奥が深くて難しいので、時間をかけて順次ご紹介してゆきます。