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ターンテーブルの回転を調べる便利なアプリ 中川 伸

ターンテーブルの回転数やワウ・フラッターが分かる、ちょっと面白いアプリを見つけたので、ご紹介致します。スマホにダウンロードして、それをターンテーブルに乗せて回します。iPhoneとAndroidで使え、基本機能なら10回まで無料です。その後は¥1,840で拡張機能も使えます。RPMで検索し、アイコンは黄色っぽいのになります。センタースピンドルを避けるべく、上面が平らなスタビライザーやインスタントコーヒーの蓋などを使って乗せればよりベターでしょう。回して値が安定すれば読み取れます。使い方は次のサイトなどを参考にしてみてください。

よく使われている一般的な縞模様のSTROBOSCOPEは、33 1/3回転だと50Hzも60Hzも正確ですが、50Hzの45回転と78回転は近似値になります。ストロボの縞模様が整数でしか刻めないからです。この詳細記事をご覧になってください。また、今の時代では照明器具がインバーター式なので止まっては見えません。なのであえて普通電球か、安くてチラつくLEDランプを使うことになります。

一般の人はきちっとスピードを合わせたいと思うでしょうが、絶対音感のある音楽家などは自分が馴染んでいるピッチになるよう合わせます。そのためレコードによってまちまちなピッチを合わすべく、スピードコントロールは必須です。絶対音感はあれば便利なことも不便なこともあって音楽性とはあまり関係ありません。いろんな音が音符となって聴こえてくるそうです。

音程のピッチは、440ヘルツが国際標準ですが、ウィーンフィルは445ヘルツ位の高い設定です。ベルリンフィルでもカラヤン時代はさらに上げていたそうです。高い方が華やかに聞こえるので、事情によって変えるようです。日本ではNHK交響楽団が古くから使っていた442Hzが多いです。

シンクロナスモーターを使ったレコードプレーヤーは速度調整が困難なのでスピードは高めに設定されています。私はテレビで聴く歌手の声が変わるので、レコードプレーヤーはプーリーを削って合わせていました。それをカセットに録音してカーオーディオで聴くと、とても高くて、ずーっと気持ちが悪いので、デッキを取り出してテストテープで調整しました。1983年頃なので、デッキメーカーへ規格の範囲を問い合わせると、3kHzが 0Hzから+150Hzの間に合わせているとのことなので、ピッチの話からすれば何とも大雑把すぎます。古いレコードプレーヤーは 0Hzから+90Hzに合わせていたそうですが、これでもひどいです。

私が行ったシンクロナスモーターのスピード調整方法ですが、レコードプレーヤーのプーリーが見えるようにしてモーター軸が水平になるよう立てます。そして電源を入れてモーターを回して、下からヤスリを当てて削ります。この時、奥に支点を作り、ヤスリの取っ手を上げながらヤスリの中間部分をプーリーに当てて削ります。つまり旋盤の原理です。削りすぎると戻せないので、何度も確かめながら少しずつ削ります。ベルトでもアイドラーでも軽い圧力だとゴムの変形が少なくて早く回るので直感とは逆になります。もしも削りすぎた場合は、ベルトなら少しだけ厚いのに変えます。それでもだめな場合は、ネットで調べて、旋盤加工をしてくれるところを探します。

次は1985年頃ですが、EMT927のスピード調整をピアニストの松浦豊明氏から頼まれました。その時は、50Hz±6%の発振器を設計し、それをオーディオアンプを使って増幅しました。これを100ボルトから15ボルトにステップダウンする一般的な電源トランスを逆に使ってステップアップしました。時間ドリフトを選別したICM8038の出力にフィルターを入れて歪を少なくしたこともあってとても上手く行きました。

ピッチに関するついでの話です。昔は気にならなかったのですが、今、古いピアノ録音を聴くと低音が低く調律されていてちょっと緩んだ感じに聴こえ、気になります。当時の調律はピアノの倍音は少しづつ上がるという理屈から左端は約2%下げ右端は約2%上げる程度が普通でした。なので高い音は逆に上げていました。しかし今はそんな調律だとアンサンブルには合わないとのことで、むしろ少ないようです。

ショパンのスケルツォ2番の頭から30秒位のところの、ピアノの右端から約8センチ左のいわゆる高いファ(音名だと4点へ)ですが、これが高すぎて気になるのがあります。参考までに10:26の高めの調律例0:54のそれほどでもない調律例を聴き比べてみて下さい。(2021年6月29日)

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