パガニーニと鳥 | 中川 伸 |
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音楽を聴いていたら、鳥が部屋の窓の曇りガラスに何度も当たってきました。こんなことはこれまで無かったのにと不思議に思いました。そのとき聴いていた音楽はパガニーニのヴァイオリン・コンチェルト1番の3楽章でした。しかし、曲が終わると、もう何も起こりませんでした。考えてみると確かに鳥の声に似た部分があるので、もしかしたらとも思いました。
気になっていたので次の日も試しにパガニーニをかけてみました。すると最初は何も起こりませんでした。ああ、あれは偶然だったかと思ったのですが、3楽章になるとまたまた鳥が窓に3回も当たって来ました。
盤を裏返してからのサンサーンスのヴァイオリン・コンチェルト3番でも何も起こりませんでした。
パガニーニのヴァイオリン・コンチェルト1番の3楽章は鳥にとって喜びに似ているのか、虐待の悲鳴なのかは鳥に聴いてみなくては分かりませんが、私は前者だと思いたいです。
この時かけていたのはジノ・フランチェスカッティーのLPでした。皆さんもパガニーニを持っているならかけてみてください。鳥が集まるかも知れません。鳥は曇りガラスを通じてしか見えませんでしたが、見えたとしても私には種類がわかりません。しかし、雀の可能性は高そうでした。