ジャズ批評に執筆しました | 中川 伸 |
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以下の内容を執筆することになってしまいました。ジャズが好きな方で、もしも伊勢に行くことがあれば、さくら通りのジャズバー「ふあん」に寄ると意外なジャズが聴けるかもしれません。
私の好きな一枚のジャズ・レコード2006
ジャズを聴くきっかけになった扉の一枚
Cembalo George Gruntz / Jazz Goes Baroque 2
N0.052 中川 伸
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私は高校生のとき、地元だった伊勢にあるジャズバー「ふあん」のマスター(中村昌司氏)と知り合った。そして、三重オーディオ協会という同好会に一緒に入ったりもしていた。その「ふあん」から頼まれ、ちょうどマランツ8Bを3極管接続したようなアンプを設計製作し、納入したことから今日のオーディオメーカーへの夢が芽生えた。17歳の頃である。私が聴くのはクラシックが中心だったが、アンプの改良を重ねるたびに、音のテストにはGeorge Gruntz の「Jazz Goes Baroque 2」を頻繁に使っていた。当時としては録音が抜群だったし、クラシックとジャズの橋渡しをするような音楽なので、いっしょに好んで使い、これがきっかけとなって私はジャズも聴くようになっていった。
今から15年ほど前に無性にその盤が聴きたくなってマスターに盤の存在を尋ねたら、貸した人が音信不通になってしまったのでもう手元には無いとのこと。自分なりに中古レコード屋を探し回ったが、なかなか見つからなかった。そのため、六本木のWAVEに行った時に相談したら、「探してみよう。」と、数ヶ月かかって見つけてくれた。かなり高価ではあったがしかたがない。久しぶりに聴けてものすごく懐かしかった。当時はジャックルーシェのプレイバッハやスウイングルシンガーズとMJQが競演したものとかを好んで聴いていた。その後にマスターからジャズのことをいろいろ教わることになっていったが、この盤は私がジャズを聴くきっかけになったまさに扉である。
なかがわ・しん/1948年生れ。ソニーやスタックスでアンプやカートリッジの設計をする。1976年にフィデリックスを設立し、ユニークなオーディオ機器の設計、製造、販売を開始。大のアナログファンでLPコレクター(1万枚以上)でもある。1994年にCDの音質を修復する大好評のハーモネーター(SH-20K,AH-120K)を開発して以来、CDも聴くようになる。
Cembalo George Gruntz / Jazz Goes Baroque 2
Cembalo George Gruntz(p) Sahib Shihab, Leo Wright, Raymond Gulot, Stefan von Dobrzynskii(fl)
Peter Trunk(b) Daniel Humaiar(ds)
Philips:843,727PY Mar,17,1965