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ピアノ5重奏を聴いてきました 中川 伸

 2007年1月17日に東京文化会館でピアノ五重奏を聴いてきました。ピアノ五重奏はシューベルトの鱒が有名ですが、私はドボルザークやフンメルが特に好きです。しかし、この日はシューマンとブラームスで、アンコールはヨハン・シュトラウスUのウイーンかたぎでした。私は直接音とホールトーンのバランスから、真中よりもやや後方で聴くことが多いのですが、この日は都合により最前列で聴きました。ここの音はオーディオマニアがいかにも好きそうな、なんとも鮮明な音で、別な意味でまた最高でした。
 演奏者はエッカルド・ザイフェルト(ファースト・ヴァイオリン)、安田紀生子(セカンド・ヴァイオリン)、恵谷真紀子(ビオラ)、ゲアハルト・イーベラー(チェロ)、上田京(ピアノ)といった方々で非常に力量の高い演奏者たちでした。ファースト・ヴァイオリンはしっかり引っ張って、セカンド・ヴァイオリンは控えめで、ビオラはうまく調和させ、チェロはなんともウイーン風で、ピアノはでしゃばることなく、うまいサポートでした。
 ファースト・ヴァイオリンとピアノとチェロのメロディーは良く聴こえたのですが、セカンド・ヴァイオリンは距離が少し遠かったのと、控えめに演奏していたせいも重なって少し聴き取りにくかったです。ビオラはチェロのちょうど1オクターブ上(2倍の周波数)の音域なので、メロディーもチェロの1オクターブ上を出すことが多かったため、チェロに隠れがちで、やはり聴き取りにくかったです。しかし、そうでない場合のビオラのメロディーはなんとも面白いので注目して聴いてしまいました。
 ちなみにヴァイオリンはビオラの1.5倍高い周波数音域です。このときは無かったのですが、コントラバスは5度調弦ではなく、4度調弦なので単純比較はできないのですが、周波数はチェロの約1オクターブ低い音域です。演奏中に見ていたらセカンド・ヴァイオリンは弓のこする位置が駒から離れ気味でした。弦楽器は駒から離れたところをこすると、甘い優しい音になりますが、駒の近くを引くと大きくて荒々しい音が出ます。ファースト・ヴァイオリンは明らかに駒の近くを引いていました。
 演奏後にセカンド・ヴァイオリンの人に訊ねたら意識的に抑えるよう、駒から離していたとのことでした。LPやCDなら何度でも聴ける訳ですから、主旋律以外のパートのメロディーに注目して聴いてみると、音楽の別な面白さが発見できることでしょう。

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