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音波と超音波が計れるPolaris-α(ナチュラル・スペクトラム・チェッカー)の誕生

新製品! Polaris-α (ナチュラル スペクトラム チェッカー) 2008年03月22日発売 定価24,000円
20〜20kHzまでかなりフラットな超小型マイクと40kHz中心の広帯域超音波マイクを搭載し、突起部を除いたサイズは100mm×65mm×35mmとコンパクト。SACDやスーパーツイーターからの超高域成分の有無がとってもよく分かり、確かな目安になります。付属のテストCDと付属の方眼紙を使い、各周波数ごとの測定レベルを折れ線グラフとして書き込むことで、スピーカーや部屋の特性も分かります。ファイル・ウェブ

 そもそもはAH-120Kの愛用者の方から、「使っていてとっても感じは良いのだけれど、果たして正しい調整になっているのかどうか自信がありません。簡単に確認することはできませんか?」と言うリクエストで始まりました。最初は簡単な回路を考えましたが、どうせ作るならということで、段々に本格的になってしまいました。音場特性のみならず騒音も計れるようIHF-Aカーブも設け、超音波側は可聴周波数に反応しないようハイパスフィルターも設けました。電源の切り忘れから、バッテリーを守るべく、オートパワーオフも設けました。表示はアナログ感覚を大切にしたメーター方式です。長時間測定の場合には外部電源も使えます。ラインアウトもあるので、別な高精度のメーターに接続したり、パソコンに接続するなど、より高度な解析もできます。
 Polaris-αの由来ですが、超高域ランダム波は心地よいときの脳波であるα波を誘発するといわれています。しかし、その議論にあたって、超高域の存在が分からなければ、空論になってしまいます。そこで、超高域の有無を調べる指標になるよう北極星を意味するPolarisとしました。つまり、α波議論の道標という意味が込められているのです。Polaris-αの取扱説明書
 実際に使ってみるとなかなか面白いのです。生の音は20kHzでカットされているわけではないので両方のメーターが動きますが、CDでは当然ながら超高域は出ません。当社のハーモネーターを使うと、生音のように両方動きます。CDより上位のSACDでもやはり両方が動きます。スーパーツイーターから実際に音が出ているかとか、あるいは、インバーター式照明器具やブラウン管TVなどの余計な超音波の発生源が無いかといった確認もできます。
 20kHz以上は単独では聴こえませんが、20kHz以下の音と混ざるとその存在が分かるのです。実際にサイン波で聞こえる周波数の約5倍の90kHz付近までが認識できるというのが今日の定説で、当社の実験でもほぼ同様の結果が得られています。さて、こういった測定器のたぐいは校正が非常に大切です。しかし、Polaris-αは取引証明用ではないのでいくらかは気楽ですが、少なくとも周波数特性は把握しておく必要があります。そこで、Polaris-αの測定にあたって、色んな測定機を使って特性を推察しました。使った測定器群は写真のような以下のものです。

 FRA5090 (NF ELECTRONIC INSTRUMENTS)、LB-4 (FIDELIX)、FT-120K (FIDELIX)、PT-R7V (PIONEER)、
 ES103 (MURATA)、CO-100K (SANKEN)、ECM8000 (BEHRINGER)、XENYX802 (BEHRINGER)、
 NA-20 (RION)、NA-60 (RION)、RC-1 (NIHON AUDIO)、SH-8000 (TECHNICS)、LM-5 (VICTOR)、
 LFR-5600(LEADER)

  ちなみに以下はマイクカプセルのメーカー発表データです。簡易測定器用としては十分な性能と言えるでしょう。

 スイープ信号による周波数特性の測定は最もオーソドックスな測定方法ですが、スピーカーをこの方法で正しく測定すると、高い周波数では山谷が激しくなって、非常に見難くなります。これを見易くするため、滑らかになるように電気的な工夫をするのが一般的です。スポット周波数で測定をすると、ほんの少し周波数が変わっただけでも、山に当たるか谷にあたるかでレベルは大きく変動してしまいます。すると、実態とはかけ離れたデータになるので、測定周波数付近の平均的なものを示した方が実用的です。そこでワーブルトーンの測定や、バンドノイズでの測定をする訳です。
 1/3octのワーブルトーンや1/3octのバンドノイズでによる測定は必要最低限の分解能ながらも、おおいに実用的です。ワーブルトーンの方が、理論的にも現実的にも安定はしています。−1/6oct〜+1/6octの範囲を三角波で変調をするのが一般的です。変調周波数は測定したい周波数の下限の数分の1以下にし、メーターでも平均値が読みやすい揺れの数Hz付近に選びます。
 近年ではFFTというコンピューターによる計算方法が発達してきました。これはたとえば20Hz間隔の周波数でデータを計算するため、低い周波数では荒くなってしまいます。これを正確にしようとすれば、計算速度が非常に遅くなってしまいます。高い周波数は山谷が激しくなりますが、これを滑らかにして見易くするスムージングという機能を持ったソフトもあります。FFTの中にはは群遅延時間が測定可能なものもあります。
 以上から、コスト、実用性、精度、見易さ、扱いやすさ、測定時間、などを考慮し、Polaris-αでは1/3octのワーブルトーンによる測定を基本としています。勿論、パソコンに接続すればFFTによる測定もできます。スピーカーに近接させると部屋の影響が少ないのでスピーカー単体に近い特性が得られます。これは片チャンネルづつ測定します。次にリスニングポイントで測定し、部屋の影響を調べます。測定データですが、ほとんどのスピーカーが低域は落ちていますので、録音はその分を補償しているものが結構多いのです。ですから、必ずしも低域がフラットで好ましい訳ではありません。高域はリスニングポイントでは、2kHz以上は-3dB/oct程度でなだらかに落ちてちょうど良いとも言われています。ですから重要なのは低音の定在波の影響を少なくさせることでしょう。スピーカーの位置、間隔、高さを微妙に変えることで、結構変わります。そこで色々試してみるときっと良い点が見つけられることでしょう。上手く活用すれば、何段もの高音質化が得られると思います。
 20kHz以下の特性、特に12kHz以下は非常にフラットなので、ワーブルトーンを収録した付属のテスト CDを使えば、約5分でオーディオ装置の周波数特性が分かります。
 H氏の装置をPolaris-αで計り、エクセルでグラフにしてみました。データを入れ替えれば別な装置のグラフになります。カメラの三脚などへ両面テープでマイク位置をセットし(手持ちも可)、付属CD(周波数アナウンス付ワーブルトーン)を使って約5分でデーターは得られます。エクセル方眼紙はダウンロードしてご自由にお使い下さい。ワーブルトーンは周波数のアナウンス付きなのでとっても使いやすくなっています。

 読み上げソフト(SofTalk)で周波数のアナウンスを読ませ、8kHzサンプリングのWAVファイルにし、これを44.1kHzに変換(SCMPX)し、編集ソフト(audacity)で挿入して作りました。元のワーブルトーンはテスト信号発生ソフト(WG131)で作りましたが、いずれもフリーソフトです。
 対数方眼紙はMicro Cap9 (Demo)で波形を描かせ、グラフはわざとスケールアウトさせ、それを印刷でPDFデータにします。次にそれをイラストレーターで読み込ませ、好きなように編集します。なかなか綺麗にできていますので、ダウンロードして自由に使ってみてください。
 PCに繋いだ場合の解析ソフトについては詳しいサイトがあるので以下をそちらを参考にしてみてください。実にたくさんのソフトがあります。
 http://www3.ocn.ne.jp/~hanbei/jp-winanalyzer.html (Windows)
 http://www3.ocn.ne.jp/~hanbei/jp-macanalyzer.html (Mac)
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