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スペクトルアナライザでオーデイオ常識の間違いを検証する! 中川 伸

 長い間、「音は不規則な雑音と規則的な楽音とに分かれ、楽音は基音周波数と、N倍の周波数群からなる倍音とで構成される。」というのがオーディオ界では常識とされていました。

 上のスペアナグラフは1kHzの三角波(HEWLETT PACKARD 3312A)で、理論通りに1kHzの3倍波5倍波と連続的に高調波が続いています。ここでは2次波も4次波も見られますが、これは三角波が完全な対称でないためです。ただし、3次波は奇数であってもオクターブと完全5度の綺麗な和音で、5次波も2オクターブと長3度の綺麗な和音なため紛れも無く楽音で、この上も和声学的に和音です。もしも、オーディオ界ではよく言われている「奇数次は汚い!」などと発言すれば、音楽の専門家には驚かれることでしょう。また、下のスペアナグラフはCDに記録されたピンクノイズ(日本オーディオ協会のCD-1)ですから、こちらは紛れも無く雑音です。

 ではカルメン冒頭のスペアナ動画はいかがでしょうか?以下をよくご覧になって下さい。

 ご覧のように不規則な成分が圧倒的に多く、明らかにピンクノイズに似ています。しかしながら、いくらかのオーディオ関係者たちは、今でもなお、「音楽は基音周波数と、N倍の周波数群からなる倍音とで構成される」と考えています。そして20kHz以上は聴こえないが、仮に聴こえるとしても、それは高調波でなければならないとも考えています。なぜでしょうか?実はオーディオ関係者は日々の仕事に追われていますし、先人の理論についてはよく勉強しているので、設備が要る基礎的なことは自分たちで実験をしていないのが実情でしょう。ですから、疑うこともなく古い単純な理論を拡大解釈して信じ続けているからでしょう。 このように音楽そのものでさえ高調波という常識に反し、なんと殆どがすでに不規則なランダム波です。バイオリンはこする際に生じるランダム波をふんだんに含んでいます。合奏ともなれば、各人の音程は微妙に異なり、さらにビブラートもかけるので超高域はいっそうランダムになります。フルートをはじめとする管楽器は吹く際に生じるヒューというランダム波を非常に多く含みます。シンバルやマラカスなどの不規則波は基音と高調波に区別できません。
  電話の保留音などの電子音のみが、自然界には存在しないほどに規則的な高調波を出しますが、決して良い音ともいえません。つまり、アコーステック楽器をはじめとして、波や風の自然音は超高域のランダム波をふんだんに含んでいて、だからこそ快適だったのです。蒸留水よりもミネラルを多く含んだ自然水の方がおいしいと感じるのとよく似ています。また、このように高性能なスペアナができるようになって、音楽の実態が詳細に検証できるようになったのも比較的に最近のことですから、、。

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